膜厚計による計測
今回は塗装とその膜厚についてのお話です。
自動車の塗装の膜厚は、メーカー・車種等によりそれぞれ違いますが、おおよそ普通乗用車の新車時の塗装膜厚は約100~150μmとなっております。
これがどのくらいの厚みかと言いますと、膜厚の単位である1μm(マイクロメートル)は、1mm(ミリメートル)の1/1000ですから、100μmの厚みは僅か0.1mmしかありません。
以上のように、自動車の塗装の膜厚は非常に薄く限りがありますので、やみくもに研磨をしてしまう事はできません。
また、100μmの塗装膜の場合、おおよその数値ですが、鉄板部分から塗装自体の厚みが約60~70μm程で、クリアー塗装の厚みが約30~40μm位でしょう。
このように非常に薄い塗装面ですから、塗装面にできたキズや雨ジミ、ウォータースポット等を下地処理によって研磨できる厚みには限りがあります。
更に、この塗装の膜厚はメーカー・車種等によって違いますので、下地処理で研磨作業を行う際には、その車両の膜厚を測定して最小限の研磨に留める必要があるのです。
また、使用頻度や保管状況、年式、鈑金塗装履歴等によりその数値は車両によって当然個体差が出てきます。
そこで、我々が使用する機器が「膜厚計」です。
この「膜厚計」を用いた計測テストを行いましたので、こちらをご覧ください。
こちらの車両は、2013年式の国産車です。
ボンネットの各箇所を5回計測して、平均値となるaverageは「153μm」という結果でした。
もう一台計測しましょう。こちらの車両は、2011年式の欧州車です。
同様にボンネットの各箇所を5回測定した平均値は「124μm」でした。
最初の国産車と比べると約30μmもの膜厚差がありましたので、この2台に対して同じ下地処理の研磨をしたら大変なことになります。
我々、リボルトグループは、以上の事を充分に踏まえ、長年の経験から蓄積されたメーカー・車種毎のデータを生かし、また、個々の車両を下地処理前に充分に計測した上で、最適且つ最小限度の高度下地処理技術「Revolt adjust system(リボルト アジャスト システム)」にて、お客様のお車に適したハイクオリティな下地処理を行っております。